農林水産大臣認可 事業協同組合 JY 全国焼肉協会

第29回優良外食産業表彰受賞

2025年3月19日に、農林水産省主催の第29回優良外食産業表彰式典が行われました。
当協会の会員企業から表彰された7社をご紹介致します。

優良外食産業表彰の概要
農林水産省は、農林水産業との連携、消費者ニーズに対応したサービスの提供、環境への配慮など創意工夫を活かした事業に取り組んでいる外食事業者等を表彰しています。
これにより、広くフードサービス事業の優良事例を紹介し、食生活を通じた健康で豊かな社会の一層の推進と地域の活性化を図っています。
サンプル画像
【国産食材利用推進部門】
農林水産大臣賞(株)叙々苑
朝鮮料理を起源とする焼肉に日本料理のおもてなし精神を融合させ、日本独自の「焼肉料理」を創造。品数と栄養バランス、彩りや盛り付けの見栄え、快適な設備と接客により、「高級焼肉」の領域を開拓し、1店舗当たりの平均年商は外食産業屈指となる約4億円を実現している。 1976年の創業当時の焼肉は、牛肉の品質よりタレの味作りが重視されている中、和牛をはじめとする国産牛の魅力追求を強化。「タン塩レモン」の開発や「上カルビ」の開発等により、牛肉の付加価値向上と焼肉の新たな新領域を開拓してきた。 また、「焼肉コース料理」の開拓により、前菜として「キムチ・ナムル・サラダ」の3皿を提供することにより国産野菜の消費拡大にも寄与している。
農林水産大臣賞(有)シン コーポレーション
以前は米国産牛を主力としていたが、BSEの発生により地元の国産牛も風評被害を受けていることを知り、地産地消の推進を決意。地元の農畜産物を積極的に活用し「信州焼肉」と評されるまでに発展した。更に店舗作りの建材にも長野県産の木材や古材を使用している。 牛肉は「信州黒毛和牛」を売り物にしており、「信州米豚」や「信州うえだ地鶏 真田丸」も扱っているほか、2017年からは「信州ジビエ(シカ・イノシシ)」をグランドメニューとして提供開始。地元客のみならず観光客からも注目されているだけでなく、農業の課題である鳥獣駆除の有効活用にも貢献。また、野菜についても社長自ら生産地を訪れ、生産方針と品質を確認した上で扱いを決定している。
大臣官房長賞ロイヤル商事(株)
健康食品会社として創業したが、1999年に焼肉店の営業譲渡をきっかけに外食事業にも参画。現在は焼肉、牛タン、うなぎ、とんかつなどマルチブランドを展開している。 タンを除くメイン食材は国産食材を利用しており、国産黒毛和牛の年間使用量は約500トン。主流の山形牛では一頭買いを主流(カルビ、ロースなどはパーツ買いも併用)としており、独自カットにより希少部位などの提供により付加価値を上げている。また、店名に「山形牛」を冠することで、山形牛の魅力を訴求している。 牛タン業態の店舗で提供している「とろろ」については、原料となる群馬県太田市産の大和芋を年間52トン使用している。
【食文化普及貢献部門】
大臣官房長賞(株)弘
京都で黒毛和牛の一頭買いを主とした焼肉店を経営していたが、売れ行きは安価な部位に集中し、高級部位が残ってしまう課題を解決するため、主に和牛の高級部位を提供する店を創業。旧跡を継承した「和モダン」の店舗開発など京都らしさをコンセプトに「京焼肉」のブランド化を推進している。 土地柄もあり、インバウンドを想定した案内や表記の他、外国人スタッフも積極的に採用。中国最大のグルメサイトでも京都市内の飲食店に対する投稿数第1位を記録。来店客の約2割、店舗によっては5割が訪日観光客が占めており、訪日客の高評価は全国屈指を誇っている。海外展開も視野に入れ、外国人スタッフには知識と技術を習得させ、帰国後の独立開業を奨励している。
【持続可能な事業活動推進部門】
大臣官房長賞(株)プラス1
地産地消と雇用安定を両輪に、持続可能な事業経営を実践している。 2017年に1次加工を行うセントラルキッチンを竣工し、店舗の調理負担を軽減するとともに、異業種間での食材の流用、肉の端材をサイドメニューやハンバーグに有効活用するなど食品ロスを大幅に削減している。 パート・アルバイトからの社員登用に努めており、社員40人のうち20人が登用。また、コロナ禍には閑暇を利用し社内研修を実施したことにより、従業員の調理技術と接客サービスが向上し、利益アップに貢献している。 2014年から地元サッカークラブへの支援、2024年には児童発達支援事業所を開講し、社員研修の一環として社員の派遣を行うなど、地域貢献にも積極的に取り組んでいる。
【新規サービス提供部門】
大臣官房長賞大心産業(株)
創業時は建設業を営んでいたこともあり、建設業の見識や技術を活かした超大型店舗の開発を推進。店舗は約200坪、250席が基準であり、一般的に大型店と言われる焼肉店の約2倍の規模に相当している。 焼肉店でありながら、地産地消の郷土料理、お子様メニューなど250種類以上のグランドメニューをラインナップし、老若男女を問わず全方位から支持を獲得している。 店内には、子連れ客にも気兼ねなく食事を楽しんでもらうための大型キッズパークを設置しているほか、業界初となる焼肉セットを販売するドライブスルーを有する店舗も展開している。また、自社内にデザイナーやカメラマン、IT技術者を配した「広報企画部」を設け、YouTubeの配信やポスター・チラシ等を矢継ぎ早に打ち出し、来店客を楽しませている。
【生産性向上部門】
農林水産大臣賞(株)赤門
創業以来「毎日決算(棚卸し)」を行っており、迅速な現状把握と迅速改善が可能となっている。従来は店長の手書きの書類を翌日集計していたため、毎日決算と月末決算の数字が乖離することもあったが、2001年のBSE発生時に客数現の閑暇を利用してITツールの全店導入を研修を実施。これにより「食材・資材・光熱費・固定費」の正確な日割り計算が可能となり、対策実行までのタイムラグが解消され、生産性が向上。これにより捻出された利益と余力は従業員の給与と休暇に還元されている。 新卒社員の入社3年後の定着率は86%、パート・アルバイトの1年後の定着率は約56%であり、2024年までの平均実績定着率は、一般的な外食産業の約2倍と目されている。 また、2023年にセントラルキッチンを新設し、店舗における歩留まりほぼ100%を実現。タンの皮などの端材はドックフードに加工し、店舗販売も行っている。