農林水産大臣認可 事業協同組合 JY 全国焼肉協会

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平成26年度地区交流会報告 関西・中国・四国地区

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平成26年度地区交流会報告

関西・中国・四国地区
日時 6月25日14時~
会場 『但馬屋』心斎橋店(大阪市)

新井泰道JY会長が講演
「料理にゴールはない。今より美味しいものを常に追求して」

「私は料理人出身だから経営はわかりません。
 みなさんの中にも料理のプロがいらっしゃるでしょうから聞いてほしい。
 「私は15歳でこの世界に入りましたが、当時は料理が9、サービスは1でした。
 美味しさで勝負していました。コック同士の競い合いもありました。
 それを思うと、最近の料理人はサラリーマン化しているように見えます。
 若いころ、お客さまに『まずい』と言われたら死にたいと思ったものです。
 『味のわからない客だ、気にすることない』と言う先輩がいましたが、ああいう料理人にはなりたくないと思いました。
 『まずい』と言われて、悩み抜くと答えが見つかるんです。真剣に悩んでください。
 昔は、お客さまがお帰りになるとき、一緒にエレベータに乗りました。
 エプロン外せば、店の人間だと気がつかれません。お客さまの本音が聞けるんです。
 『キムチ酸っぱかったね』と言われたら全部、捨てました。いつも真剣勝負なんです。
 『叙々苑』の味は変わっています。お客さまにはわからないように美味しくしています。
 昔の味を食べると恥ずかしい。よくこんなものを出していたと思います。
 食べるほうの舌が進化する。ごま油も調味料も昔とは違う。
 そこを考えて工夫しないと、美味しさを保てない。
『伝統の味だ』と言って50年前と同じことやってる店は美味しくありません。
 『料理にゴールはない』。帝国ホテルの村上信夫料理長のことばです。
 好きで来てくださるお客さまを裏切らないように、常に今より美味しくできないかと考えてください。
 牛肉はいちばん美味しい食材です。それを最も美味しく召し上がる調理法が焼肉なのですから。
 そして料理は美しく盛ってください。盛りつけに原価はかかりません。
 同じ料理も盛りつけで価値が上がるのです。

 私は高級店ではなく一流店と言われたい。
 一流はなぜ高くても売れるのか。
 徹底して、クレームのないものを作る。不良品がない。だから、また買う。
 価値あるものを作れば、お客さまはいらっしゃるのです。

 銀座にお店を出しています。その大家さんがドトールコーヒーの創業者です。
 テナント契約の際にお会いしました。
 あの方も10代から裸一貫で事業を育ててきた人。意気投合しました。
 ある時、同業者の集まりでパリに研修旅行に行って驚いたそうです。
 むこうではコーヒーは立ち飲み、すごく安い。
 みんな出勤前に立ち寄ってコーヒーを飲んでいく。
 当時、日本の喫茶店といえば4人テーブルだったけれど『日本もこういう時代になる』と思ったそうです。それがドトールコーヒーの始まり。
 一緒にパリに行った人の中で、それに気がついたのは一人だけだった。
 ほかの人たちも同じ光景を見たのに、本質を見ていなかった。
 みなさんも、あちこちで食事するでしょうけど『うまいなあ』で終わらせないでほしい。
 『どうやって作るんだろう』と研究する一生懸命さを持ち続けてください。
 ◆
 寝る前に一日を振り返ります。言い過ぎたことないか、反省します。失敗したと思うと眠れない。翌日電話して謝ります。
 謝って怒る人はいないから。いつでも素直になることが大事。
 何事も他人のせいにしないこと。すべて自分が悪いと思うことが成長できるチャンスなのです」

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