繁盛店ひしめく本通り、一歩、奥まった路地に
街のざわめきを忘れる大人のための美食空間。

都内まで30分。西武鉄道の新宿線と池袋線が乗り入れる所沢駅は、１日９万人あまりが利用する主要駅だ。
改札を出た人たちが次々と吸い込まれていくのが、西口繁華街「プロペ通り」。
「ここは全国区ブランドの飲食店が出店したがる一等地。地元で商売をするからには、いつか店を出したいと思ってきました」と、オーナーの柳峰世さん（65）。
昨年12月、念願かなってオープン。若年層狙いのカジュアル店が居並ぶ中に、シックな店づくりで高級感を打ち出した。
「この界隈には、上質なものを求める世代が入れる店が少ない。流行に流されない、大人の店を作ろうと思いました」
市内で20年あまり営む本店『モランボン』は名の通った老舗だが、あえて新しい看板、『和っ黒』を掲げた。
黒毛和牛専門、それも５番しか使わない徹底ぶりが店名にあらわれている。
「日本酒も厳選銘柄を揃えました。美味しいものをゆっくり堪能していただける店に育てていきたいです」

写真キャプション：
タイル画は内装のアクセント。イタリアの遺跡で発見された壁画がモチーフ。